それは、だだっ広ーいそうふけっぱらが、まだ一面の雑木林と草っ原におおわれていたころのお話。
そのそうふけっぱらに、一匹のきつねが住んでいた。
きつねには一風変わったところがあった。
どこが変わっているといって、甘いものが大好物だったのだ。
近くの吉田に菓子屋があるのを知ったきつねは、暇を見つけては店に通うようになった。
ある日きつねは、その菓子屋で修行のために主人を手伝っている若い青年と出会った。
いまでいうところのパティシエの卵だねっ!
青年はわりかしイケメンで、きつねの好みのタイプだった。

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