青年が出かけたあと、きつねはさっそくカメをとっ捕まえて事情を聞きだそうとした。
「ええっとですね~、実はですね~・・」
いぬの話し方がとろいものだから、きつねはイラッときたね。
だから、こいつは飼い主にカメなんて名前を付けられたんだぞ、きっと。
カメによれば、最初は彼女も吠えかかっていたので、青年もビビッていたそうだ。
けれど、どうしてもこの道を通らなければならないため、菓子やせんべいを与えて気を引くことにしたんだ。
それで、カメは見事に手なずけられ、じきに青年のほうも彼女に慣れた、というわけ。
説明を聞いても、きつねとしては釈然としない。
なんであんなに反応が違うのよっ!
このままではきつねのプライドが許さない。
頭にきたきつねは、なんとか青年をギャフンといわせてやろうと夜中かけて計画を練った。

ページのトップへ戻る