ソワソワと落ち着かないそぶりで座っていた青年に、娘がお茶とお菓子を差し出した。
ヤバイ・・きつねに化かされてるとしたら、何を食べさせられるかわかったもんじゃないぞ!?
「これって、馬のウ○コとかショ○ベンだったりしない?(汗)」
デリカシーのない青年は、思いっきり直言してしまった。
「ひどいわ! 他人様にご馳走するものに、そんなの入れるわけないじゃない!」
青年も美人の涙にはやっぱり弱い。
「ああ、ゴメンゴメン! 疑った僕が悪かったよ。ちゃんといただきます・・」
墓穴掘った(泣)・・と思いつつ、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、彼は思い切って口にしてみた。
意外にイケる。いままで食べたことのない風味の菓子だ。
「そうふけっぱらには、菓子の材料になるヨモギやクズやワラビがたくさん生えてるし、林ではキイチゴやアケビだって生るし、アマヅラやハチミツも採れるから、自分なりに工夫して菓子作りに挑戦してみたの」
娘の話を聞いて、青年はいたく感心した。
それから二人は明け方まで菓子談義にふけった。

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