「ムググ・・・そこまでいうなら、わしが竜である証拠を見せてやるわい!
 あすの朝に栄の辻まで出向くがよい! きっとじゃぞ!」
 竜はそういいのこすと、肩をいからせながら茂吉の家を出ていった。
 翌朝、興味にかられた村の衆が、茂吉とともに栄の辻に集まってみると
 はたしてそこに 竜が玉のようなものをたずさえ待ちかまえていた。
「おう、来たか、童ども!
 よいか、目ン玉見開いてしかと見とれい!」
 そういうと、竜はブツブツと経文をとなえはじめた。
 玉をにぎりしめる竜の額には汗がふきだし、顔は真っ赤に染まった。
「カアァァアアアァアァアァァ~~~~ッ!!!」
 すると──

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